環境構築・運用
Sandbox 環境 (テスト環境)
Sandbox は、本番組織と分離された「テスト用環境」 。新機能の試験・パッケージアップグレード検証・カスタマイズの実験 — 本番に影響を与えずに行うために必須の環境です。
Sandbox とは
Salesforce の Sandbox は、本番組織の データやメタデータをコピーしたコピー組織 です。
- 本番と完全に独立 (本番への影響なし)
- 独立した URL (
https://[企業名]--sandboxname.sandbox.lightning.force.com) - 独立したログインアカウント (本番と同じユーザー ID +
.sandboxname追加) - ライセンスは Sandbox 種類に応じて含まれる
Sandbox の 4 種類
種類 | データコピー | リフレッシュ間隔 | 用途 |
|---|---|---|---|
Developer | メタデータのみ (データなし) | いつでも | 個人開発・小規模試験 |
Developer Pro | メタデータのみ (容量大) | いつでも | チーム開発・QA |
Partial Copy | メタデータ + サンプルデータ | 5 日毎 | リアル系試験 |
Full | メタデータ + 全データ | 29 日毎 | UAT・本番リハーサル |
ブリッジ葬儀の運用では、Developer Pro または Partial Copy が一般的。Full Sandbox は容量が大きく、エンタープライズ向け契約が必要。
Sandbox の作成
Setup → 環境 → Sandbox → 新規 Sandbox
- 名前 (英数字、本番ドメインに追加される)
- 種類 を選択
- PostCopy スクリプト (任意): 作成後に実行するスクリプト
- 作成 → 数分〜数時間で完了
PostCopy: BridgeSandboxPostCopy
ブリッジ葬儀パッケージには BridgeSandboxPostCopy という Apex クラスが含まれており、Sandbox 作成 / リフレッシュ時に 初期マスタが自動再投入 されます。
自動再投入される内容 | 例 |
|---|---|
税率マスタ | 課税売上 10% / 軽減 8% / 非課 / 等 |
価格タイプ | 標準価格 / 仕入価格 / 上代 |
日程テンプレート | 一般葬 / 家族葬 / 直葬 / 神式 / 法要 |
日程種別マッピング | 通夜・葬儀・火葬・etc. |
発行元情報 | 既定の発行元 1 件 |
これにより、Sandbox を作るたびに手動で初期データを再入力する必要がなくなります。
Sandbox にログイン
Sandbox のログイン URL は 本番と別 :
https://test.salesforce.com
(本番は https://login.salesforce.com)
ユーザー名は 本番ユーザー名 + .sandboxname が付きます。
例:
- 本番:
user@example.com - Sandbox:
user@example.com.devsbx1
本番と同じパスワードでログイン可能 (作成直後)。後でパスワードを変更しても本番には影響しません。
Sandbox の典型的な用途
1. パッケージアップグレードの検証
- 新バージョンを Sandbox に先にインストール
- 主要機能のテスト
- カスタマイズへの影響確認
- 問題なければ本番に適用
2. カスタマイズ開発
- 新しいフロー / Apex / Lightning ページの試作
- 業務ロジックの検証
- 後で本番にデプロイ
3. データ移行のリハーサル
- データインポートを本番でやる前に Sandbox で試行
- 重複・形式不一致の早期発見
4. ユーザー受け入れテスト (UAT)
- 業務ユーザーに Sandbox 上で操作してもらう
- フィードバックを反映 → 本番適用
5. トレーニング環境
- 新規入社者の Salesforce 操作練習に
- 本番データを触らないので安全
本番→ Sandbox のデプロイ手順
カスタマイズを本番に反映する流れ:
1. Sandbox でカスタマイズ作成
2. Sandbox でテスト
3. Change Set (変更セット) を Sandbox から本番へアップロード
4. 本番で「受信した変更セット」を確認 → デプロイ実行
5. 本番でテスト
Change Set (変更セット)
Setup → 環境 → 変更セット → 送信変更セット
メタデータをまとめて送信できる仕組み。一括デプロイに便利。
Metadata API / SFDX
より高度な運用では、コマンドラインツール (sf project deploy) や Metadata API を使ったデプロイも可能。CI/CD 化することも。
Sandbox リフレッシュ
Sandbox のデータは時間と共に古くなります。リフレッシュ で本番の最新状態に上書きできます。
注意点
- リフレッシュすると Sandbox 内のカスタマイズ・テストデータがすべて消える
- Developer Pro は最低 1 日に 1 回リフレッシュ可、Full は 29 日に 1 回
- リフレッシュ後に PostCopy が再実行 されるため、初期マスタは自動復元
リフレッシュ前にやること
- Sandbox 内の作業ログをエクスポート
- 進行中の Change Set はバックアップ
- メンバーへ事前通知
Sandbox の制約
- ライセンス: 一部の標準ライセンスが Sandbox では使えない場合あり
- メール送信: Sandbox からは標準でメール送信が制限 (テスト用フィルタ)
- 外部システム連携: 本番と違う API エンドポイントを指定する必要あり
- データ容量: Full でも本番より小さい場合あり
Sandbox 環境のベストプラクティス
命名規則
Sandbox 名 | 用途 |
|---|---|
| 個人開発 |
| QA テスト |
| 受入テスト |
| トレーニング |
複数の Sandbox を用途別に運用すると整理しやすい。
定期的なリフレッシュ
- Developer Pro: 月 1 回程度
- Partial Copy: 月 1 回 (リフレッシュ間隔 5 日)
- Full: 重要リリース前 (リフレッシュ間隔 29 日)
本番との切り分け確認
ログイン後、必ず以下をチェック:
- URL に
sandboxまたは--sandbox名が含まれている - 画面右上に Sandbox 名のリボン表示
- 画面の見た目 (Sandbox は赤系のテーマがデフォルト)
こんなときは
Sandbox にログインできない
- URL:
https://test.salesforce.comか確認 - ユーザー名末尾の
.sandboxnameを確認 - パスワード: 作成直後は本番と同じ、変更後は Sandbox 個別
初期マスタが入っていない
BridgeSandboxPostCopyが走ったか確認 (Setup → Apex ジョブ)- 失敗していたら手動で初期化スクリプトを実行
Sandbox の容量がいっぱい
- 古いデータを削除 (バッチ削除可能)
- 不要な Sandbox は削除
- 上位の Sandbox 種類を購入
開発作業を本番にデプロイしたい
- Change Set または SFDX で送信
- 本番でテスト → 問題なければ承認
Sandbox を本番と勘違いして編集してしまった
- 画面右上の Sandbox 名表示で確認する習慣
- ブラウザの拡張機能で本番 / Sandbox を視覚的に区別 (
Salesforce Inspector等) - 重要操作前は URL バーを確認
次に進む
- データインポート — Sandbox でのデータ移行リハーサル
- リリースとバージョンアップ — Sandbox 検証手順
- 画面のカスタマイズ — Sandbox でレイアウト試行
📅 最終更新日: 2026-06-16