機能の深掘り
伝票のステータスとロックの仕組み
伝票には 「ステータス」 という項目があり、見積→請求→領収の流れを管理しています。さらに、ステータスや特定の条件によって、伝票が ロック (編集不可) されることがあります。担当者が混乱しがちな点をわかりやすくまとめます。
ステータスの一覧と意味
見積伝票
ステータス | 意味 | 次の操作 |
|---|---|---|
見積中 | 作成途中・お客様との調整中 | 編集・変更可能 |
見積確定 | お客様 OK・確定状態 | 「請求伝票を作成」ボタンが有効化される |
キャンセル | 提案中止・取り下げ | 履歴として残す |
請求伝票
ステータス | 意味 | 次の操作 |
|---|---|---|
請求中 / 未送付 | 作成済みだが未送付 | 編集・変更可能 |
請求済 | 送付完了 | 入金待ち |
入金完了 | 完済 | 領収書発行 |
キャンセル | 取り下げ | 履歴として残す |
実際のステータス値は、組織のカスタマイズ次第で多少異なります。
Setup → オブジェクトマネージャ → 伝票から値リストを確認可能。
ステータスの変え方
- 伝票詳細画面を開く
- 上部の ステータスバッジ (例:
見積中) をクリック - プルダウンで新しいステータス を選択
- 「保存」 をクリック
「保存」を忘れると、ステータス変更が反映されないので注意。
なぜ「見積確定」が必要なのか
請求伝票を作るボタン (Flow: CreateBillingDocument) は、見積のステータスが 「見積確定」 でないと実行できません。これは:
- 誤って未確定見積を請求伝票化 することを防ぐ
- お客様 OK が出た時点を明示 する
- 確定後の見積を変更しにくくして、履歴の改ざんを防ぐ
ためです。
伝票のロック (確定済みの編集制限)
ステータスが特定の値になると、伝票の 明細編集がロック されることがあります。
ロックされた時の画面表示
伝票エディタを開くと、上部に以下が表示されます:
🔒 伝票がロックされています
- ツールバーのボタンがすべて無効化される
- 行の追加・削除・編集ができない
- ヘッダの一部項目も読み取り専用
ロックの目的
- 確定済みの請求書 が後から改ざんされるリスクを防ぐ
- 入金処理済み の伝票の整合性を保つ
- 監査追跡 のための変更履歴を残す
ロックを解除する (例外対応)
業務上どうしてもロック済み伝票を編集する必要がある場合 (誤りの訂正など):
- システム管理者に依頼
- 管理者は
ExcludeSlipLock権限セット を一時付与 - 担当者が編集
- 編集後、管理者が権限セットを外す
履歴に残る運用なので、管理者が「いつ・誰が・なぜロック解除したか」を活動メモに残しておくのが望ましい。
ステータス遷移の典型パターン
パターン A: スムーズに完了
見積中 → 見積確定 → 請求伝票作成 → 請求中 → 請求済 → 入金 → 入金完了
パターン B: 途中で内容変更
見積中 → (修正繰り返し) → 見積確定 → 請求伝票作成 → 請求中 → (修正) → 請求済 → ...
パターン C: 取り下げ
見積中 → キャンセル
または:
見積中 → 見積確定 → 請求伝票作成 → キャンセル (請求伝票) → ...
ステータスを変えたときに動く処理
「見積中 → 見積確定」
処理 | 内容 |
|---|---|
「請求伝票を作成」ボタンが有効化 | UI 側で判定 |
(設定により) 集計値の確定 | 一部の組織カスタムで自動計算 |
「請求中 → 請求済」
処理 | 内容 |
|---|---|
(組織カスタムでロック有効化) 明細編集不可 | 確定処理 |
親伝票と子伝票
請求伝票には、変換元の 見積伝票 が「元伝票」として記録されています。
- 見積伝票 → 派生した請求伝票一覧 (関連リスト)
- 請求伝票 → 元見積伝票 (項目リンク)
ステータスを変えても、この親子関係は維持されます。
こんなときは
「見積確定」にしたいのにエラーが出る
主な原因:
- 必須項目 (宛名 / 価格タイプ / 税表示区分) が未設定
- 明細が 1 行も無い
- 金額が 0 円 (組織のカスタムルール次第)
エラーメッセージで足りない項目を確認 → 入力 → 再保存。
確定済み見積を「見積中」に戻したい
権限があれば、ステータスを直接変更できます。ただし、すでに請求伝票化されている場合は注意 (請求伝票との整合性が崩れる可能性)。
「キャンセル」にしたら関連の請求伝票はどうなる?
連動して自動キャンセルにはなりません。キャンセルにしたい場合は、関連の請求伝票も手動でキャンセルに変更してください。
「請求伝票を作成」ボタンが押せない
- 見積が 「見積確定」 ステータスか確認
- ボタンが灰色 = 既にこの見積から請求伝票が作られている可能性 → 元伝票関連リストを確認
確定済み伝票で明細だけ直したい
ExcludeSlipLock 権限が必要 (管理者対応)。一時付与してもらってから編集 → 終わったら権限を外してもらう運用。
入金完了になったのに自動で「入金完了」ステータスに変わらない
ステータスは 自動更新されません (組織カスタムで Flow を追加することは可能)。担当者が手動で変更してください。
業務上のステータス管理のコツ
ステータス変更を必ず実施するルールづくり
- 見積を提示したら必ず「見積中 → 見積確定」または「キャンセル」へ移動
- 請求書を送付したら必ず「請求中 → 請求済」へ移動
- 入金が完了したら「入金完了」へ移動
このルールがあれば、レポートで「未送付の請求書」「未確定の見積」などを抽出できます。
Salesforce 標準レポートとの連携
ステータス値はレポートのフィルタや集計軸として使えます。
- 「今月の見積中件数」
- 「未送付の請求伝票」
- 「キャンセル率の月推移」
管理者にレポート / ダッシュボードの作成を依頼すると、ステータス管理が経営の指標になります。
次に進む
- 見積伝票の作成 — ステータスの開始点
- 見積から請求書・領収書を作る — ステータス遷移の主要ポイント
- 伝票エディタを使いこなす — ロック中の表示と挙動
📅 最終更新日: 2026-06-16